昨年まで、私はある金融系システムのインフラ基盤を支える現場にいた。当時は24時間365日の安定稼働を至上命題として、画面越しの構成図やARMテンプレートコードと向き合う日々だったが、そこで共に戦ったメンバーとは、プロジェクトを離れた今でも不思議と縁が続いている。
2026年2月20日から23日。 私は、かつての戦友たちと福岡へ飛んだ。
メンバー構成は実にユニークだ。
- 50代:大手企業の課長(経験値と人脈の塊)
- 40代:大手企業の課長(スマートな調整役)
- 30代:SES社員(同じ最寄り駅の気心が知れた仲)
- 30代:フリーランスエンジニア(仕事できるハイスペック人間)
- 20代:フリーランスエンジニア(私)
立場も世代もバラバラな5人が、ただ「旨いものを食べ、語らう」ために集まった。
07:00 羽田空港 ― 予期せぬ「ボトルネック」とJAL ESTの誘惑
旅の始まりは早朝の羽田。SESの同僚とは最寄り駅が同じなので、始発の電車で合流して空港へ向かった。移動中の話題は、もっぱら最近の仕事の話や、お互いの近況報告だ。
ふとした拍子に「航空会社のマイルってどう貯めてる?」という話になった。私はJALカードの20代限定「ESTカード」を愛用している。サクララウンジが利用できるこのカードの恩恵は大きく、今回もその話をしようと思ったが、ふと自分の財布には、昨年末に切り替えたばかりの「楽天ゴールドカード」が光っていた。
「せっかくだから、パワーラウンジでゆっくりしましょうか」
そんな余裕をかましていたのだが、現実は甘くなかった。保安検査場に到着すると、そこには長蛇の列。結局、ラウンジに立ち寄る時間は一秒もなく、検査場を抜けたのは搭乗開始の直前。エンジニアとしてあるまじき「バッファ不足」を反省しつつ、機内へ滑り込んだ。始発で移動したのにパワーラウンジを楽しめなかったのが少し残念。。。
ちなみに、航空券は各自バラバラに予約していたため、機内では一人の時間。ANAのコンソメスープを一口すすると、早起きの体に塩味が染み渡る。あまりの旨さに、思わず「おかわり」をリクエストしてしまった。
福岡空港 ― コンパクトシティがもたらす高いスループット
福岡空港に降り立って感じるのは、その圧倒的な「近さ」だ。 地下鉄に直結しており、博多駅までわずか2駅。このアクセスの良さは、都市インフラとして完成されている。
私は今回、愛用の大容量バックパック一つで参戦した。実はこのバッグ、かつてヨーロッパ旅行もこれ一つで完結させたという代物。預け荷物がないため、ターンテーブルで待機する時間もゼロ。スッと地下鉄に乗り込み、まずはホテルへと向かった。
ホテルに到着すると、50代の課長さんが「常連」としての真価を発揮した。受付の方とのスムーズなやり取りは、まるで長年使い古された安定のAPI連携を見ているかのよう。こうした「対人スキル」による運用の円滑化は、若手の私にはまだ真似できない熟練の技だ。
ラーメンのスープに隠された大量スープの考察
チェックインまで時間があったので、中洲・天神界隈を散策。案内役は、これまた福岡に詳しい50代の課長さんだ。「昼間はこんな感じだけど、夜になると街のレイヤーがガラッと変わるんだよ」という説明を受けながら歩く。
ふと見ると、普段は行列必至というラーメン屋「きりん」に空きがあった。
実は私は、いわゆる「激くさ系」の豚骨ラーメンが少し苦手なのだが、ここの一杯は驚くほどスッキリしていて、最後まで美味しくいただけた。
ここで気づきがあった。 運ばれてきたどんぶりは、スープがなみなみと注がれ、下には受け皿が敷いてある。「なぜここまで?」と考えたが、答えは「替え玉」にあるのではないか。 博多では替え玉がデフォルト?。つまり、スープの量は、後から来る追加リクエスト(替え玉)を受け止めるためなのだ。 私以外のメンバーが全員替え玉を注文する中、そのシステム設計の妙に一人納得していた。

午後15:00 貸切のサウナと、もつ鍋の「未知の仕様」
午後は「櫛田神社」へ。正面ではなく裏手から入るというイレギュラーなルートになったが、展示されている山笠の迫力には圧倒された。

その後、ホテルに戻ると、またもや常連パワーでアーリーチェックインを許諾いただいた。少し休憩した後、一行は近くのホテルの日帰り温泉へ。 平日の15時。開店直後のサウナは、まさに「プライベート環境」。露天風呂で福岡の青空を見上げながら、日頃のデバッグで凝り固まった脳を強制シャットダウンさせる。これぞ旅の醍醐味だ。
夕食は、予約していた「もつ鍋一藤」へ。
ここで私は、自分の知識不足を痛感することになる。もつ鍋といえば「味噌か醤油」だと思い込んでいたが、メニューには「ポン酢」の文字が。 「ポン酢なんてあるんですか?」と驚く私に、周りも「それは初めてだね」と。 新婚の身でありながら、40代の課長さんと「博多は接客も素敵だし、おきれいな方が多いですね」なんて不謹慎な(?)会話で盛り上がるほど、その場の空気は最高だった。
深夜、人生初の「スナック」というレガシー・インターフェース
一日の締めくくりは、人生初のスナックだった。 30代の私にとって、スナックの扉を開けるのは非常に勇気がいる。しかし、先輩たちに連れられて入ったその場所は、驚くほど温かかった。
課長さんがキープしているボトルで乾杯し、カラオケを歌う。出てくる料理がいちいち旨い。そして何より、最後のお会計を聞いて驚愕した。 「えっ、こんなに安くていいの?」 そこには、現代の合理的な価格設定とはまた別の、信頼と愛着で成り立つ「古き良きコミュニティ・インフラ」が存在していた。
まとめ:65歳へのロードマップに刻む記憶
今回の旅行で感じたのは、世代や立場が変わっても、同じプロジェクトで苦楽を共にした仲間との時間は色褪せないということだ。
私の目標は「65歳までに鎌倉に家を建て、配当金生活を実現すること」。 しかし、そのためにはただ働くだけでなく、今回出会った先輩方のように、人生を豊かに楽しむ「遊びのバッファ」も必要不可欠だ。
福岡の濃密な一日目は、そんな大切なことを教えてくれた気がする。 (※サクララウンジのレビューについては、また別の機会に。たぶん年末くらいに書きます笑)
次回2日目の様子をお届けします。


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