福岡滞在3日目。この日は博多の街を飛び出し、レンタカーで佐賀県・呼子(よぶこ)を目指す「イカ三昧ドライブ」の日だ。
28歳のフリーランス、30代の同僚、そして40代・50代の課長陣。世代を超えた男5人が一台の車に揺られる道中は、まさに「動く開発会議」のような、あるいは「修学旅行」のような、不思議な高揚感に包まれていた。
07:30 理想的な「朝活インフラ」:ATORI COFFEE
3日目の朝も、ルーティンは崩さない。今回は私を含めた3名で、宿泊先のホテルに隣接する「ATORI COFFEE」へ向かった。
店内は朝日が差し込む非常に明るい設計で、一歩足を踏み入れるだけで脳のスイッチが切り替わるのを感じる。私はここでも迷わずカフェラテをオーダー。福岡のカフェ・インフラの充実度には、滞在するたびに驚かされる。夜の居酒屋文化が注目されがちな福岡だが、実は朝の「静かな時間」を彩るサードプレイスの質が極めて高い。
40分ほどの短い時間だったが、立ち上る湯気と清潔感のある店内に癒やされ、これから始まる長距離ドライブへの「精神的なバッファ」を十分に確保することができた。
10:00 予期せぬ「神めし」との遭遇:マリンセンターお魚村
レンタカーを借り、いざ呼子へ。しかし、目的地へ向かう途中で我々の「センサー」に触れるスポットが現れた。「マリンセンターお魚村」だ。
いわゆる道の駅のような、地元の食材が並ぶハブ施設なのだが、ここの駐車場の一角にある「キッチンみのり」というお店が、この旅最大の伏兵となった。
店先から漂う、鶏の脂と醤油が焦げた暴力的なまでにいい匂い。私と50代の課長さんは、吸い寄せられるように店頭へ。 「これは……いかなきゃダメなやつですね」 「ああ、間違いないな」 そんな会話を交わし、目的のイカを食べる前だというのに「鶏めし」と「プリン」を購入。これが衝撃の旨さだった。
農場直営店というだけあって、鶏の旨味が米の一粒一粒にしみている。プリンも濃厚で、コストパフォーマンスは最高。気がつくと、車内にいた他のメンバーも全員吸い寄せられ、全員が鶏めしを頬張っていた。イカを食べるための胃袋の空き容量が、この時点で8割ほど埋まってしまうというミス(笑)しかし、そのミスを後悔させないほどの満足度だった。
11:30 呼子朝市の「デッドロック」とプランBへの移行
11時過ぎ、ようやく呼子に到着。しかし、ここで大きな課題に直面する。呼子の名物「朝市」の活気は凄まじく、駐車場待ちの車で長蛇の列。予期せぬトラブルすぎる、、、下調べしていなかったけど、おそらく週末は毎回こんな感じなんだろう。
さらに追い打ちをかけるのが時間制限。朝市は12時で終了という仕様だが、現在の時刻は11時。渋滞を抜ける頃には「Time Out」になる可能性が高い。 運転してくださっている50代の課長さんに車を任せ、若手4人で市場へ先行してダイブしたものの、11時過ぎの市場はすでに店仕舞いの雰囲気。そして何より、先ほどの鶏めしが美味しすぎて、誰もイカの串焼きに手が伸びない。

「無理に市場に固執するより、景色を楽しもう」 エンジニア的な状況判断で、我々は予定を変更。呼子大橋を一望できる「風の見える丘公園」へと舵を切った。
男5人で「風の見える丘」というのもシュールな絵面だが、吹き抜ける潮風と玄界灘のパノラマは、日頃のデバッグで疲れた眼精疲労を一気に解消してくれた。
14:00 唐津城から、1時間待ちの「漁師村」へ
その後、歴史の勉強を兼ねて「唐津城」へ。移動中、海中レストランの存在を知り、次の機会があればぜひ行ってみたいですね。と盛り上がる。

遅めのランチとして訪れたのは、お魚村の隣にある「海鮮料理 漁師村」。ここでは受付で1時間以上の待ちが発生したが、待機時間すらも楽しむのがこのメンバーだ。近くのクレープ屋を見つけ、さらにデブ活を加速させる。ちなみに朝訪れた鶏めしのお店は行列。おそらく地元でも有名なんだろうな~
ようやく席に通され、お目当ての海鮮と天ぷらを堪能。その鮮度とボリュームには脱帽した。しかし、ここで気になることがあった。店内には空席が目立つのに、案内がなかなか進まないのだ。 「これは、客席というリソースはあっても、厨房やフロアの『ワーカー数(スタッフ)』が足りていないんだな……」 地方の有名店でも深刻化している人手不足という「システム上の制約」を目の当たりにし、少し複雑な気持ちになった。
18:00 長浜家ラーメンと、変わりゆく現場の景色
福岡市内に戻り、レンタカーの返却前に「長浜家ラーメン」へ。 ここのラーメンは、デフォルトで大盛り仕様なのかと思うほどのボリューム。替え玉が文化の福岡において、誰も替え玉に辿り着けないという稀有な体験をした。

ここで興味深かったのは、店内のスタッフのほとんどが外国人の方々だったことだ。ランチの「漁師村」での人手不足とは対照的に、都心部のラーメン店は海外からの労働力という「新しいリソース」によって24時間稼働が維持されている。地方と都心のインフラ維持の差について、課長さんたちと熱く語り合うシーンもあった。
21:00 ホテルでの「深夜の定例会」と次のプロジェクト
レンタカーを無事返却し、お腹はいっぱいのはずなのに、お土産屋を覗いたり夜の街を散歩したり。最後はホテルの一室に集まり、コンビニで買ったつまみと酒で乾杯。
話題は、次回の旅行について。 「次は秋ごろ、福島の温泉でも行こうか」 その一言で、次のプロジェクトがキックオフされた。
今回の旅行は、20代から50代という年齢幅がある構成で、最初は「本当に全員が楽しめるか?」という不安も少しはあった。しかし、終わってみれば、そんな心配は杞憂に終わった。 立場が違っても、年齢が違っても、「美味しいものを食べ、見たことのない景色を楽しみ、語り合う」という基本は変わらない。
フリーランスになって、会社という組織からは離れたけれど、こうした「個」と「個」で繋がれる仲間がいることは、私の人生において最も価値のある資産だと確信した。
2026年、2月の福岡。 最高にDramaticな3日間だった。福島編もお楽しみに。


コメント