1. はじめに
全7回のAzure入門、ついに完結です! 前回はTerraformとAI(GitHub Copilot)を使い、実際に動くコードを書き上げました。しかし、コード(文字)だけでは、チームのメンバーやお客様にシステムの全体像を伝えるのは難しいものです。
最後を締めくくるのは、インフラエンジニアの「共通言語」である「構成図」の作成です。
2. 現場で使われる「図解の道具」たち
「構成図は何のソフトで書くのが正解ですか?」という疑問をよく耳にします。現場で一般的に使われているツールは主に以下の2つです。
- PowerPoint / Excel 意外かもしれませんが、これが最も多いです。報告書に貼り付けやすく、非エンジニアの方とも共有しやすいため、多くの現場で標準として使われています。
- draw.io (diagrams.net) エンジニアの間で非常に人気のある無料ツールです。ブラウザでサクサク動き、アイコンの配置も直感的で、かつ非常に綺麗な図が描けます。
どのツールを使うにせよ、大切なのは「誰が見ても、どこに何があるか一目でわかること」です。
3. 初心者を卒業する「親切な図」3つの鉄則
単にアイコンを並べるだけでは、見にくい図になってしまいます。現場で「お、わかってるね」と思われるためのポイントを紹介します。
① 「人のアイコン」から書き始める
インフラ構成図は、サーバーから書き始めると「どこからアクセスが来るのか」が迷子になりがちです。必ず左側や上側に「ひとのアイコン(ユーザー)」を配置しましょう。 「ユーザー → インターネット → Azure」という通信の経路を線で結ぶことで、システムの目的が明確になります。
② 階層(テナント・サブスクリプション)を意識する
Azureの基本はリソースグループ(RG)という「箱」ですが、実はその外側にも重要な「枠」が存在します。構成図を書くときは、以下の階層を意識して枠を描いてみましょう。
- テナント(Azure AD / Microsoft Entra ID):企業や組織全体の枠組み。
- サブスクリプション:お財布(支払い単位)の枠組み。「本番環境」「テスト環境」で分けることが多いです。
- リソースグループ(RG):プロジェクトやシステムごとの「まとまり」。
初めのうちはRGだけを意識しがちですが、図の端に「サブスクリプション名」を書き添えたり、大きな枠で囲ったりするだけで、「どの予算で動いているものか」が明確になり、現場での信頼感が一気に増します。
③ 色や線の種類で「役割」を分ける
すべて同じ色・同じ太さの線だと、何が「箱」で何が「ネットワーク」なのか判別がつきません。
- リソースグループ:一番外側の太い実線
- VNet(仮想ネットワーク):点線や少し薄い色の枠
- サブネット:さらに内側の細い実線 このように、図形の色や線の種類を変えることで、視覚的に「階層構造」が伝わります。
4. Azure公式アイコンを活用しよう
図のクオリティを上げる最大の方法は、Microsoftが公式に配布しているアイコンを使うことです。
ここからPowerPoint用のスライドをダウンロードして、自分の図にコピペするだけで、一気に「現場レベル」の見た目になります。
5. ✍️ 今日のトレーニング(宿題)
今回は完結編の特別メニューです。学んだ知識を「図」にするアウトプットに挑戦しましょう!
【基本編】第6回のコードを「図解」してみよう
第6回でTerraformを使って書いたインフラ(リソースグループ、VNet、サブネット、VM)を、実際に構成図に書き起こしてみてください。
- ミッション:
- 画面の端に「ユーザー」のアイコンを置く。
- リソースグループ、VNet、サブネットを「枠」で表現する。
- 枠の中にVMのアイコンを置き、ユーザーからのアクセス経路を線で結ぶ。
【応用編】「もしも」の構成図を描いてみよう
今の最小構成に、以下のリソースを追加するとしたら、あなたはどこに書き足しますか?
- 追加リソース:Azure SQL Database(データベース)
Q1:データベースのアイコンは「サブネット」の中に入れますか?それとも外に出しますか? Q2:ユーザーからの線は「データベース」に直接繋ぎますか?それとも「VM」を経由させますか?


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